
秋になると「雨どいから水があふれている」「強風のあと樋が外れかけている」というご相談が増えます。見た目は小さな不具合でも、札幌では冬を越すあいだに被害が大きくなりやすい場所です。
この記事では、雨どい(屋根に降った雨や雪どけ水を集めて地面へ流す樋)の詰まりや外れを秋のうちに見つけておきたい理由と、地上から確認できるポイント、直し方と費用の目安をまとめました。
秋に雨どいが詰まりやすく、外れやすい理由
雨どいは、屋根の縁に沿って横に付く軒樋(のきどい)、そこから地面へ水を下ろす縦樋(たてどい)、その継ぎ目にある集水器でできています。秋はこの3か所に負担が集中します。
落ち葉と土ぼこり
庭木や街路樹の葉が軒樋に溜まり、雨で固まって集水器の入口をふさぎます。夏のあいだに溜まった土ぼこりに種が落ち、樋の中で草が育っていることもあります。
台風・秋の強風
樋を支える金具(受け金具)は、年数がたつと固定しているビスがゆるみます。そこに強風が当たると、樋が波打つようにたわんだり、継ぎ目が抜けたりします。
前の冬のダメージが残っている
雪の重みや落雪で少し曲がった樋は、夏のあいだは症状が出にくく、秋の長雨で初めてあふれて気づくケースがよくあります。
放置すると冬にどうなる?
詰まりや外れがあるまま雪の季節に入ると、次のようなことが起こりやすくなります。
1. 樋の中で水が凍り、氷の重みで壊れる
流れずに溜まった水や雪どけ水が夜に凍り、昼に少し融けてまた凍る、を繰り返します。樋の中が氷で満たされると、金具ごと下へ引っぱられて外れたり、割れたりします。
2. つららが大きく育ち、落下の危険が出る
あふれた水が軒先から垂れて凍り、つららになります。玄関や通路の上に大きなつららができると、落ちたときに人や物に当たるおそれがあります。
3. 外壁や軒裏に水が回る
樋からあふれた水が外壁を伝い続けると、外壁の継ぎ目のシーリング(すき間を埋めるゴム状の材料)や軒裏の板が傷みます。屋根の縁で水が溜まって凍る状態は、冬の雨漏り「すが漏れ」の原因のひとつにもなります(詳しくは「すが漏れ」とは?の記事で解説しています)。
4. 春まで直せない
雪が積もってからは梯子や足場を安全に掛けにくく、樋の交換や金具の付け直しは難しくなります。冬のあいだは応急処置でしのぎ、融雪期にまとめて直すことになりがちです。
無落雪屋根のお住まいでも、スノーダクトからつながる縦樋や、ベランダ・下屋(げや:1階部分に付いた小さな屋根)の雨どいが付いていることが多く、同じことが起こります。
地上から確認できる5つのポイント
いずれも地上や窓からの目視で確認できます。梯子に上っての作業は転落の危険があるため、ご自身では行わないでください。
- 雨の日に、軒樋の途中から水が滝のように落ちていないか(集水器や縦樋が詰まっているサインです)
- 樋が波打つようにたわんでいないか、継ぎ目にすき間がないか
- 受け金具が外れて、樋が壁や屋根から浮いていないか
- 雨のあと、縦樋の下の出口からきちんと水が出ていたか
- 樋の真下の地面だけ土がえぐれている、外壁に縦の汚れ筋がある(長いあいだあふれ続けている跡です)
気になる箇所があれば、スマートフォンで写真を撮っておくと状況を伝えやすくなります。家の全体が分かる写真と、気になる部分をズームした写真の2枚があれば十分です。
直し方と費用の目安、火災保険の考え方
詰まりだけの場合
樋の中の落ち葉や泥を取り除き、縦樋の通りを確認します。高所での作業になるため、点検とあわせてお見積りします。
外れ・たわみ・継ぎ目の抜け
受け金具の付け直しや、継ぎ目の補修で済むことが多い症状です。
割れや変形がある場合
傷んだ部分だけを交換します。雨どいの部分交換は4万円〜が目安です(税込)。屋根との取り合いの板金やシーリングにも傷みがある場合は、板金・シーリングの補修(3.5万円〜・税込目安)が加わります。
雪の重みや落雪、台風などの強風で雨どいが壊れた場合は、火災保険の「雪災」「風災」の補償の対象になる可能性があります。一方で、落ち葉の詰まりや年数による劣化そのものは、一般的には対象外です。ご契約の内容や、被害がいつ・何によって起きたかで判断が分かれるため、まずは現状を確認するところから始めるのがおすすめです。
まとめ
- 秋は落ち葉・強風・前の冬のダメージが重なり、雨どいの詰まりや外れが見つかりやすい時期です
- 放置すると、樋の中で水が凍って壊れる、つららが育つ、外壁や軒裏に水が回る、といった冬の被害につながります
- 雪が積もると工事が難しくなるため、直すなら雪が降る前が安心です
- 確認は地上から。梯子に上っての作業はご自身では行わないでください
- 雪や強風で壊れた場合は火災保険の対象になる可能性があります。詰まりや経年劣化は一般的に対象外です
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