冬になると、屋根の軒先(屋根のはしの部分)から雪がひさしのように張り出しているのを見かけることがあります。これを「雪庇(せっぴ)」といいます。見た目は冬らしい風景ですが、落ちてくると人やモノに当たる危険があり、屋根や雨どいを傷める原因にもなります。
札幌では12月ごろから雪庇ができはじめます。雪が積もる前の今のうちに、雪庇ができる仕組みと危険、安全な付き合い方を知っておきましょう。
雪庇(せっぴ)ができる仕組み
雪庇は、屋根に積もった雪が風に押されたり、少しずつずり下がったりして、軒先から外へはみ出したまま固まったものです。昼間に表面がとけて夜に凍る、ということをくり返すうちに、どんどん硬く、重くなっていきます。
- 風の通り道にある屋根:風下側の軒先に雪が吹きだまり、張り出しやすくなります
- 無落雪屋根の外周:雪を屋根の上にとどめる造りのため、パラペット(屋根のふちの立ち上がり)の外側へ雪が張り出すことがあります
- 雪が多く、気温の上下が大きい時期:とけては凍るをくり返し、雪庇が大きく育ちます
雪庇の危険と、起こりやすい被害
雪庇は見た目以上に重く、氷のように硬くなっていることもあります。主な危険は次のとおりです。
- 落下による事故:玄関や通路の上にある雪庇が落ちると、人に当たる危険があります。近くを通るときは真下を避けてください
- カーポートや物置、給湯器の排気口まわりの破損:落ちた雪の塊がぶつかってへこんだり、割れたりすることがあります
- 雨どいや軒先の板金の変形:雪庇の重みで雨どいが外れたり、軒先の板金が曲がったりすることがあります
- すが漏れのきっかけ:軒先に雪と氷がたまると、とけた水の逃げ道がふさがれ、屋根の内側へ水が入り込む「すが漏れ」につながることがあります
すが漏れについてはこちらの記事、落雪で壊れやすい場所はこちらの記事でも紹介しています。
自分でできること・やってはいけないこと
やってよいこと
・地面から雪庇の位置と大きさを見ておく(写真に残しておくと相談のときに役立ちます)
・雪庇の真下に人が立ち入らないよう、通路を変える・目印を置く
・雪庇の下に車や自転車、物を置かない
やってはいけないこと
・屋根に上って雪庇を落とす
・はしごに乗って、棒で下から突く
・2階の窓から身を乗り出して作業する
雪庇は落ちるときに一気に崩れることが多く、真下や近くにいると巻き込まれるおそれがあります。また、冬の屋根やはしごは非常にすべりやすく、転落事故が毎年起きています。落とす作業は無理をせず、専門の業者に相談してください。
冬前にできる対策と、火災保険の考え方
雪庇は毎年同じような場所にできることが多いので、雪が降る前に屋根まわりを点検しておくと安心です。
- 軒先や雨どいに、すでに曲がり・外れ・ぐらつきがないか
- 無落雪屋根なら、スノーダクト(屋根の雪どけ水を流す排水口)が詰まっていないか
- 去年、雪庇が大きくなった場所の下に、壊れやすい物を置いていないか
なお、雪庇や落雪の重みで雨どいや軒先、カーポートなどが壊れた場合は、火災保険の「雪災」として扱われる可能性があります。対象になるかどうかは保険会社の調査とご契約の内容で決まります。被害に気づいたら、まずは安全な場所から写真を撮っておきましょう。Msサービスでは、申請に使う写真と見積書を無料でご用意しています。
ちかまるくんメモ:雪庇の写真は、地面から少し離れた安全な場所で撮ってくださいね。真下には立たないのがお約束です!
まとめ
- 雪庇(せっぴ)は、屋根の雪が軒先から張り出して固まったもので、とけては凍るをくり返して重く硬くなります
- 落下による事故のほか、カーポート・雨どい・軒先の板金の破損や、すが漏れのきっかけになることがあります
- 屋根やはしごに上って落とす作業は危険です。真下に近づかず、専門の業者に相談してください
- 雪が降る前に、軒先・雨どい・スノーダクトの状態と、雪庇ができる場所の下を確認しておくと安心です
- 雪庇や落雪で壊れた部分は、火災保険の雪災として扱われる可能性があります
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